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経験者インタビュー

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知ろう、胸の内

人と人とのつながり、心と体を癒やす場を…

Miyukiさんの場合

誰にも相談できずつらかった…自身の体験を基に、乳がんや女性特有のがん経験者を対象とした、心と体を癒やすヨガやフラのクラスを開いているMiyukiさんにお話を伺いました。

死んでしまうの?受け止められぬ現実

2008年、体を洗っていたとき、ふと左胸にしこりを発見。病院でエコー検査と触診検査を受けました。その時は「のう胞はあるが、がんではない」と診断され、安心していました。2年後、たまたま市の検診を受けたら「疑陽性」。再検査の後、針生検や細胞診など、より精密な検査を受け、乳がんが確定しました。「私、死んでしまうの?」絶望に陥りました。しかも女性として失いたくない胸を全摘出、胸の中央に傷痕が残る…それはあまりにも厳しい現実でした。
 別の手術方法を求めて、セカンドオピニオンを受診。すると乳房の下側を切ってがんを切除し、同時に乳房を再建できるとのこと。手術を決め、念のために受けた術前の検査で、今度は右胸にもがんが見つかったのです。片方だけでもショックなのに、「両胸ともなくなってしまうなんて…」と受け止め切れずにいましたが、2011年2月に両側同時再建手術を受けました。術後は両手が使えず、日常生活もままならない状態。ずっと自宅に閉じこもっていました。

経験者インタビュー

profile 2011年2月、両側同時再建手術を受けるも、1年後に再発し再手術。現在はホルモン療法に加え、リュープリン注射の治療を続けながら、埼玉県越谷市・草加市・東京都でリハビリヨガ・フラ教室を開催。
ブログ https://ameblo.jp/luana-miyuki/

副作用との闘いの中リハビリヨガに出合う

 2012年5月、再び左胸にしこりを発見。2㎜ほどの厚みしかない皮膚に、再発していたのです。全摘出したのに、と信じられない思いでしたが緊急手術で取り除くことができました。その後はホルモン療法とリュープリン注射の副作用との闘いの日々。病院でもらった冊子には、あまりにも多くの副作用が挙げられていて、直視できませんでした。

経験者インタビュー

8月21日、都内で行われた「乳がんリハビリフラ」の様子。楽しく笑って体を動かした後はお菓子を囲んで情報交換。話して共感できることで気持ちも楽になります

でもある時、乳がんとは長く付き合うのだから、つらい、痛いと言っているばかりじゃいけない。だるさや関節痛などの副作用も薬が効いている証拠だ、と自分に言い聞かせ、少しでも体が楽になれば、と罹患(りかん)前に習っていたヨガやフラに再チャレンジ。ところが元気な頃とは違って、周囲と同じように動くことができず、無理してしまうと腕の付け根や胸が痛むんです。それでも自分に合う教室を探し、ようやく出合ったのが、がん患者のリハビリに期待されているメディカルヨガ「乳がんリハビリヨガ」でした。

医師に向けて発信、QOLを高めるヨガ

「乳がんリハビリヨガ」で肉体はもちろん、精神的にも癒やされました。それまで自分がつらい思いをしていたので、「無理せずできる、こんなヨガがあるんだよ」ということを同病の人にもっと知ってほしいと思うように。そしてQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)向上、筋力アップも期待できる「乳がんリハビリヨガ・フラ」の教室を始めました。レッスン後のおしゃべりタイムでは、参加者から「同病の人と話して気持ちが和らぐ」「副作用に共感してもらえ、具体的なアドバイスも助かる」といった声も。みんなで笑って、時には泣いて、少しでも気持ちが軽くなってくれればうれしいです。
 最近は乳がん患者のQOL向上や再発防止のためにヨガやフラが有用であることを、病院や医師に働きかける活動もしています。孤独になりがちな乳がん経験者に「つながる」ことの大切さを、全ての女性に毎日自分の胸に触れることの大切さを、これからも伝えていきたいです。

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