乳がんで失った胸を取り戻す

身近な選択肢となった乳房再建手術とは?

2013年の健康保険適用以来、乳がん手術(乳房切除)後に乳房再建手術を行う人が増えています。
再建方法の種類や注意点について伺いました。

再建のタイミング、費用、手術方法

〜再建の手順〜

①乳房摘出
②エキスパンダーという器具を挿入して皮膚を拡張
③定期的に生理食塩水を注入(約半年間)
④エキスパンダーを取り出しシリコン製の人工乳房(インプラント)と入れ替え

お話を伺ったのは…

医療法人社団
ブレストサージャリークリニック
院長 岩平佳子さん

医療法人社団ブレストサージャリークリニック 院長 岩平佳子さん

専門は乳房再建、美容外科。2003年同クリニック開院以降、1万件を超える乳房再建を施術。著書に『これからの乳房再建BOOK』(主婦の友インフォス情報社刊)など。
http://www.iwahira.net/about.html

②を①と同時に行う一次再建(同時再建)と、時間がたってから②を行う二次再建とがあります。一次再建は手術後も胸に膨らみがあるので喪失感が少なく、二次再建は合併症のリスクが低く再建に集中できるのがメリットですね。手術の自己負担は、高額療養費制度利用で8~10万円が目安です(入院費や乳頭・乳輪等再建費用などは除く)。

④で人工乳房を使わず、腹直筋など自分の体の組織を移植する方法もあります。人工乳房より人肌の柔らかさや温かみに優れていますが、血管をつなぐ大きな手術となり回復までに時間を要します。

再建で明るく前向きな気持ちを取り戻す

当院で再建を希望されるのは70代の方が多いですが、90歳の方も。何歳になっても再建は可能です。ただ、できないこともあるので、まずは自分の希望をしっかり伝えましょう。その上で、最善の提案をしてくれる病院で手術を受けてください。乳腺外科と形成外科の担当医の連携も大切。医師の技量には差があり、「再建できる」=「きれいに再建できる」とは限りません。後悔しないよう、病院選びは慎重に行いましょう。